未来へのツケ回し: 財政健全化のための積極財政という欺瞞

「財政健全化のための積極財政」──聞こえの良い言葉の裏に隠された残酷な真実に、私たちは目を向けなければならない。それは、未来を担う子供たちへのツケ回しであり、社会の根幹を揺るがす深刻な問題なのだ。
積極財政とは、政府が公共事業などへ大規模な投資を行い、景気を刺激することで税収増を目指し、財政再建を図る政策である。しかし、この政策は根本的な問題解決を先送りするだけであり、かえって財政状況を悪化させる危険性を孕んでいる。
なぜなら、積極財政は巨額の財源を必要とするからだ。その財源は、国債発行によって賄われる。国債とは、将来の税収を担保とした借金である。つまり、積極財政は、未来の世代に借金の返済を押し付けることを意味する。
これは、私たちの子どもや孫たちに、より重い負担を強いることになる。次世代の子らは、自分たちが享受していない公共事業のツケを払わされ、自分たちの未来のための投資が制限されるという、不公平な状況に置かれるのだ。
さらに、積極財政は、政府の財政規律を緩ませ、無駄な支出を招く可能性がある。一度、積極財政に頼ってしまうと、財政健全化への努力がおろそかになり、借金体質から抜け出せなくなる危険性もある。
では、財政健全化を達成するにはどうすれば良いのか。それは、歳出削減と歳入増加という、地道な努力を積み重ねる以外にない。歳出削減においては、高齢者や延命治療の人の社会保障を減らすという、痛みを伴う選択も迫られるかもしれない。
しかし、私たちは、未来の世代に責任を果たすために、この困難な課題に立ち向かわなければならない。目先の利益にとらわれず、長期的な視点に立った政策を実行することで、真の財政健全化を達成し、持続可能な社会を築き上げていく必要があるのだ。
私たちは、未来を担う子供たちに、希望に満ちた未来を手渡したい。そのために、今こそ、積極財政という甘い誘惑を断ち切り、真の財政健全化に向けて、勇気ある一歩を踏み出そうではないか。